一生の担任エッセイ
Vol.04

自分で道を開ける強さ

卒業生の卒業作品展覧会に行ってきました。
日本画から造形まで手がける、私のお気に入りの作家さんなんです。

彼女は、4年生の時に母親に連れられて現れた女の子。
指導者は、初めてあった日のことを決して忘れることがありません。
顔も手も小さくて、二つ結びの髪をいつもきっちりとまとめて、宿題を忘れることも全くなく。

途中で体調を崩して休みがちになりながらも、中3までこちらに通ってきてくれました。
印象は、おとなしくて物腰も柔らかく素直。
でも、ものすごくしなやかで強い芯がある。
私は信じていました。自分で自分の道を開ける強さがある、とね。

家で作ってくれた作品を、毎回もってきてくれました。
どんな仕組みで作ったかを、一つ一つ丁寧に説明してくれましたね。
夢中で話す姿に、きっと「あなたは芸術の道に進むのがいいよ」って、話したことがあったけれど、言っていたことが現実になったのかな。

「あの時、先生に褒めてもらったことがすごく嬉しかったんです。」

微笑みながら話すあなたの瞳が、美しかったな。
頼もしく育った、あなたに乾杯だよ。

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